最近、自分は読解力がないな~と悩んでいるお母さんです。
ええ、読解力がないのはボクちゃんじゃなくて私がです。
(-言-) ←お母さん
「読めないだけじゃなくて、文章書けないし・・・。」
と、ブログの更新が滞りがちな言い訳を暗にほのめかしつつ
読んだのがこちらです。
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著者 新井紀子
注)ネタバレな要素がありますので、気になる方は別のおすすめ記事をどうぞ。
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お母さんとボクちゃんの読解力の問題点があぶり出される内容となっています。
「AIに負けない子どもを育てる」の読書記録
著者の新井紀子さんは国立情報学研究所教授。
読解力を診断する「リーディングスキルテスト(RST)」の研究開発を主導されています。
2018年に出版した「AI vs. 教科書が読めない子供たち」は30万部突破のベストセラー。
「AIに負けない子どもを育てる」はその続編であり、読解力を身に着けるための対策法も示されています。
教科書が読めないってどういうこと?
私はこの本を読む前は思い違いをしていました。
- 難しい漢字が読めない子が増えた?
- 長文が苦手でストーリーが追えないってこと?
- 音声や動画じゃないと集中できない子が増えた?
こんな風に考えていたのです。
デジタルツールの普及で、文字を入力するときも変換機能があってラクをしています。(←お母さん)
自信のない漢字も予測変換でサッとスマホが提案してくれます。(←お母さん)
YouTubeはザッピング視聴が常。(←ボクちゃん)
※「ザッピング」はCMがあるTV視聴方法で使われるのが本来ですが、最近ではYouTubeの飛ばし視聴でも使われているようです。(肌感覚情報)
と心当たりがあるあるです。
しかし、読み進めるとそうではありませんでした。
教科書が読めないというのは
「事実について淡々と書かれた短文」を正確に読むことができないということでした。
そして子どもに限らず読めないのは大学生や大人も同じで、実は教科書を読むのはそう簡単なことではないというのです。
そんなまさか・・・
と思いますよね。
事実、多くの大人は「自分は読めてる」「自分の生徒は読めてる」と思っているらしいのです。
私は、家庭で子どもの勉強をサポートしているのですが(いわゆるママ塾)、自分の子どもが教科書(や予習シリーズやエブリスタディ アドバンスト)が読めているかいないかは判別付きにくいです。
個性的な文芸作品とちがって、教科書の文は短文でできているからです。
・・・(・∀・i)・・・ ←お母さん
「ボクちゃんもあやしいのかも・・・?」
なぜ突然そう思ったかといいますと・・・
ボクちゃんはどちらかというと成長ゆっくりタイプ。
年中さんのときには、クラスの子のほとんどが英語も日本語(ひらがな)も書けていましたし読めていました。
ボクちゃんは全然できていませんでした。
お母さんは焦って家で教えました。
だけども、慌てることはなかったかもしれないとこの本を読んでまず思いました。
しかし胸をなでおろしたその直後、衝撃の文章が続きます。
( ̄□ ̄;)!! ←お母さん
「ボクちゃん、ドンピシャ世代!」
・・・となったからです。
これはもう焦ります。
つまずくきっかけは何だったのか知りたくなります。
さて、その真相は・・・
小3や小4になると、著者が呼ぶところの「AI読み」が原因で、キーワードをピックアップするような斜め読みをしてしまう子がでてくるのだそうです。
キーワードさえ覚えればテスト対策できるのもこの年代。
いや、ちゃんとキーワードを漢字で書けるようになるのもすごいとお母さんは思ってしまうのですが、実はそれがつまずきポイントだったのです。
AI読みする
↓
キーワード覚える
↓
テストできちゃう
↓
これでいいんだと勘違いしちゃう
( ´ㅁ`; ) ←お母さん
「なんだかホラー映画を観ている気分になってきました。」
どんどん追い詰められていくお母さん。
そしてその結末はというと
「高校生で数学ができない人間が出来上がる」
です。
知ってます。
それ、私です。(-ノ-)/Ωチーン
打ちひしがれるお母さんですが、教科書の読めないお母さんでもAIに負けないボクちゃんを育てる方法はないのか!と、藁にもすがる思いで読み進めていきます。
リーディングスキルテストの体験版をやってみた!
この本の第三章にリーディングスキルテスト(RST)が付いています。
まずは己の状況把握をしてみようと思いました。
体験版のテストは35分間で28問あり、自分の読解力のレベルや片寄り具合を知ることができます。
RSTは6分野7項目で構成されます。
- 係り受け解析
- 照応解決
- 同義文判定
- 推論
- イメージ同定
- 具体例同定
最後の「具体例同定」は、辞書由来の問題群(具体例同定 辞書)と理数系の教科書由来の問題群(具体的同定 理数)の2項目に分類されます。
先に結論を言いますと、お母さんのRSTの結果は社会人(ビジネスパーソンレベル)としては合格点に納まりました。
(;≧∇≦) =3 ホッ ←お母さん
「安心した―!」
少し心が軽くなったので、次にRSTを構成する6分野を紹介していきます。
係り受け解析
文章の構造を理解できているかどうか。
小学3年生くらいから、主語と述語の関係から少しずつ国語で習います。
公立の小学校でもしっかり授業で習いますし、中学受験する子であればZ会でも予習シリーズでもかなりの配分です。
予習シリーズ 国語 4年生(上) だけでも4週に渡って勉強することになります。
中学受験勉強をしていく過程でこれは対策できそうです!
照応解決
こそあど言葉が何を指すかわかっているか。
これ、それ、あれ、どれ等の指示詞や代名詞ですね。
バリエーションがあって難しいといえば難しいのですが、国語長文問題によく出てくるから大丈夫そうと思っちゃいますよね?
しかしここで苦戦するのがAI読みしてる子です。
数学の定型文になると「それ」の使い方がいきなり応用編みたいになってくるのです。
例)素数の定義
「1とそれ以外の約数を持たない。1より大きな整数を素数という。」
国語では大抵「それ」の直前に答えとなるものが書かれていることが多いのですが、上記の文では「1」ではありませんよね。
パターンで答えを出すと間違えてしまうことになるのです。
そして、予習シリーズをやっている子は安心してください。
ちゃんとQ&Aコラムで注意書きがあるので、付箋つけておきましょう。
四谷大塚「予習シリーズ 小4国語」p.43より引用
Q 「指示語」は絶対に「前」を指しているの?
A 指示語が後の内容を指し示すこともあります。
同義文判定
2つの文の意味が同一かどうかを判断する力。
自学自習する上で欠かせない力です。
この力を鍛えるには自分で丸つけをすることです。(記述式の問題を、です。)
間違ったところを赤ペンで修正します。消しゴムで消して丸写しではいけません。
違う部分に気づけるかどうかが大事なのです。
往々にしてボクちゃんは自分に甘めな自己採点になっています。
幸い、通信教育(Z会)の解答はかなり詳しく書かれており(更に解説動画もあります。)、採点ポイントが説明されていますので目を光らせたいと思います。
推論
基本的知識と常識から、論理的に判断する力。
中学受験で、東大に毎年50人以上合格者を出すような有名中高一貫校に合格する層は、余裕らしいです。
常識が身についており、かつ、柔軟な考え方ができる子が到達点であります。
まずは常識の範囲というのが数限りないので、新聞読むくらいしか対策なさそうな気がしています。
(親子で会話も必要です。)
イメージ同定
文と非言語情報(図表など)を正しく対応づける力。
公立の中高一貫校狙いの子は絶対に身につけなければならない力だと感じます。
適性検査並みにグラフや図を正確に素早く読み取るテストでした。
この勉強は楽しそうではあるのが救いです。
正解が分かったときに一番感動があるというかパズルが脳内でカチッと出来上がる爽快感があります。
具体例同定
定義を読んでそれと合致する具体例を認識する力。
「ザックリ理解」や「雰囲気が分かった」程度で済まさず、定義文が出てくる度に音読させてみようと思います。
ここをビシッと習得できないと中学以降に落ちこぼれる可能性が強そうです。(教科書に定義文が増えてくるため)
うちの子読解力ある?授業参観で見るポイント
家庭学習ではマンツーマンな故に子どもがつまずく前に苦手な部分をすぐに助けてしまいがちです。
きめ細やかに教えてあげられるのがママ塾の良さですが、そうするとうちのように自分の子がどれくらい教科書を読めているのかどうか判別がつきにくくなります。
そこで、(今は中止されているところも多いですが)授業参観での様子をみるとわかってきます。
ノートに答えを書くような課題を出されたときに自分の子がどのタイプかをみるのです。
- 自力で始められる子
- ワンテンポ遅れる子
- 隣りの子がどうするかを見て真似る子
自力で始められる子は理解力バッチリです。
ワンテンポ遅れる、隣の真似をする場合は要注意です。
(本ではそれぞれどのような問題点があるのか詳しく書かれています。)
まあ、親が来る授業参観だとたいていの子は張り切って前のめりに授業を受けていると思うのでもしかするとよくわからないかもしれません。すみません、書いておいて。
読解力を上げるには
高校生以上になると「自己流の読み」が定着してしまうのでそれまでに対策することが重要です。
その年齢になってからなら小学校時代、中学校時代に戻ってやり直すことになります。
本の中には「意味が分かって読める」ために幼児期、小学校低学年、小学校中学年、小学校高学年と年齢層別に細かくこうしたらいいのではないかとまとめられています。
- 穴埋めプリントは中学年で卒業する
- 国語以外の科目、特に理科や社会の教科書の音読をする。特に、「~を・・・という」のような定義を表す分が出てきたら、必ず全員で復唱する。
- 理科の「月の満ち欠け」相対が登場する。発達段階によっては1度でわからなくても、模型などを使って繰り返し意識を向けさせる
- 図工で「見たとおりに画く」をできるようにする
・・・等々。
すごく参考になりました。
そういえば、以前読んだ「読み聞かせ」に関する本で「絵本がなければ広告でも説明書でもなんでもいいので読んであげることが大切。一音一音はっきり発音してください。」というようなことが書いてありました。
定義を復唱させることにつながるのかな~と今更ながらに納得しました。
ルビをふっても読めるようにならない
中学受験の勉強で気になることの中に「本や新聞を読むときに対象年齢を気にしないと漢字が読めなくて理解できないのではないか。」ということがありました。
しかし、本書によると読み方がわかっても理解が深まるというわけではないそうです。
(漢字の読みの知識はつくこともあります。)
「AIに負けない子どもを育てる」をおすすめしたい人
おすすめ度:★★★★★
全教科に関わる「読解力」という魔物の正体を知りたい方
読解力対策に今の年齢で何をしておけばいいのか知りたい方
家で子どもの勉強をみている親御さん
といった方におすすめです。
この本を読んでいると自分のことを言われているようで変な汗が出てきました。
大事なところに付箋をいっぱいつけて、読めていないかもしれないと何度かそこを読み返しました。
読んで良かった。
これから読む方は体験版テストはぜひ受けてくださいね。結構難しくて、すごいドキドキ感があって楽しかったです。
そして全項目満点目指すには全集中が必要です!
お母さんはTVがついている家族団らん中なリビングでやってしまったので悔しかったです。
今回の読書記録の本はこちらです。
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前著のこちらもおもしろかったです。
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読解力の最大の敵「ゲーム」との取り組みはどうしているのかを書いた記事もあります。
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